私の生活の中で、ダンスと同じくらいに時間を費やしているのがインターネット上にゲームプレイ動画を投稿する「ゲーム実況」です。ちょっと前まで「ゲーム実況」やっていることを公言するのが恥ずかしかったんですけど、ここ最近自分の中でいろいろ吹っ切れておりまして、自信もって好きなことを人に伝えたいと思って今回の記事を書くに至りました。
今回はゲーム実況の簡単な概要と、ゲーム実況者全員が抱いているであろう悩み、まとめの部分ではどうして私がゲーム実況を勧めたいのかをまとめております
今回の記事はいつも以上に真面目です。それくらい真剣にやっているんだということが伝わってくれると嬉しいです。
動画と配信の2パターン
「ゲーム実況」と一口で言っても、その投稿スタイルは様々あります。ここでは大きく「動画」と「配信」の2パターンに分けてお話ししていきます。
動画
録画したゲームプレイ画面を編集して投稿するスタイルをここでは「動画」とします。昔のTwitterやらYouTubeではこのスタイルがメインでした。当時は格ゲーのスーパープレイやホラーゲームの絶叫動画なんかが流行っていました。自分のゲームプレイを動画にするということは、そこには何かの”メインテーマ“が必ずあります。格ゲーが上手であることのアピールであったり、ホラーゲームのリアクションが面白かったりというような、動画を見る目的となる強みというものが存在します。もちろん「メインテーマなんて気にしない!俺の好きなようにやるぜ!」みたいな意思でやっている人もいるのですが、そんな人でも、実況者の人柄や喋り方なんかがメインテーマとなって動画が構成されているのは間違いないです。そもそも、人に見られるための動画投稿している時点で、誰かに「楽しんでほしい」とか「私の主張を聞いてほしい」という意識は少なからずあるはずですから、他者に向けてメインテーマを提示しているはずなのです。
私の場合だと、特定のゲームの検証動画や、やってみた系の動画を上げています。
これらの動画のように、「実験」や「検証」をメインテーマとして動画を作っています。こういう動画ってテーマがわかりやすいからこそ、「これは見たい」って人と「興味ないわ」って人でしっかり分かれます。受け手が情報を選択できるからこそインターネットの強みだと思っています。よく誰にでも好かれようと一般論を浅く主張する配信者とかいますけど、個人的には偏りがない人の話は聞いててつまらなく感じてしまいます。「結局あなたはどうなの?」って問い詰めたくなります。これは悪口じゃないです。本当のことだからだ!(東大医学部)
また、最近多いのは「人」をメインテーマにしている動画です。よく言われるのが「何をやっているかではなく、誰がやっているのか」という言葉です。実験や検証という動画の企画ではなく、動画投稿者その人を見に来ているタイプです。有名な動画投稿者などは、動画の企画などもこだわっていると思いますが、視聴者は企画を見に来ているというよりは、その人がやることで面白いこと、満たされることが”保証“されているから見に来ている人が多いんじゃないでしょうか。この”保証“を求めて動画を見てくれる人のことを俗に”ファン”と呼ぶのだと思っています。
私の場合だと有名な投稿者さんとコラボしてもらったり、ゲームとはあまり関係ない料理動画をアップしたりなどです。
この「人」を見に来る状態は、安定的に見てくれたり応援してくれたりする人がいる状態なので、投稿者の目指すべき姿だと考えています。しかし、この状態に持っていくのってとてつもない労力がかかります。はじめは誰からも認知されていない状態でいきなり「私のファンになってください」とか、見ている側がどんだけ努力しても無理なんですよ。ファンになるかどうかの判断材料がないからです。
だからこそ、動画の企画で人を引き付けて、そこから人にフォーカスするという方法で他者からの認知を獲得していきます。わたしも全然登録者やらフォロワーは少ないですけど、それでも最初に企画で変わったことして、そこから自分の存在に対して目が向くようになったのを感じます。
この方法は今も昔も変わっていない気がします。人気の小説がドラマ化するときってだいたいジャニーズが主人公をするのが、まさにこの論理だと思ってます。脚本で人を引き付けて、売り出し中のジャニーズを世に送り出すという流れですね。
配信
ゲーム動画を専用ソフトを用いてインターネットに生中継するスタイルを「配信」とします。最近台頭しているVtuberやストリーマーがこのスタイルをメインとしており、視聴者とリアルタイムでコミュニケーションをとることができるので、投稿者が一方的に提供する「動画」とは違い、コンテンツを見ている人と一緒に作り上げることができるという特性があると考えています。
この「配信」に関しても、「動画」と同様に”メインテーマ“があることにはあるのですが、より「人」がテーマになりやすいです。視聴者が直にコミュニケーションがとれるからこそ、その人が面白いか、満たしてくれるかがより重要になっていきます。故に取っつきづらさがあるというのもその特徴であると考えています。全く知らない人間のリアルタイムな配信を見るのってなんとも表現し難い変な空気感を感じるときってあると思います。逆にテレビでよく見るお笑い芸人の配信とかは、既に”保障“が生まれているわけですから、すんなり見やすかったりします。
配信はそのライブ感ゆえに、無言になったりゲームの進行がグダったりすることもあるので、知らない人の配信でその時間を過ごすのは、初対面の人と喋ってて急に無言になる気まずさに似ているところがあると思います。最近では、配信の盛り上がりどころだけをまとめた「切り抜き動画」というものがその問題解消の助けとなっています。なんなら、本人の配信は見たことないけど切り抜き動画だけは見たことありますみたいな状態の視聴者もザラに存在します。
先ほどの動画の理屈で言えば、認知のない状態でライブ配信を見てもらうというのは本当にしんどいし、何が起きるかわからない不安感もあります。一方でその実況者の性格や喋り、考え方や癖などを肌で感じることができるので、視聴者がファン化しやすいスタイルであることも事実です。
やりたいことのバランス感覚
「じゃあ、最初は動画の企画をメインにして、ゆくゆくは人にフォーカスさせるやり方を続ければいいじゃん」と言われると、そんなに簡単な話ではないです。そんな簡単だったら国民全員ヒカキンになってます。後に書きますが、動画投稿ってただゲームしてるだけで簡単そうに見えますが、見えないところでとんでもない労力がかかっています。動画を一個ずつメインテーマを決めて丁寧に投稿していくっていうのを定期的なスパンでやっていくは本当に難しいです。そうやって動画投稿していくうちに大半の人はやりたくないことをやらされてるという気持ちになって投稿をやめてしまいます。だからこそやりたいこともたまには取り入れるべきだと考えています。
私の例でいうと、検証動画に傾倒しすぎてネタも尽き、動画編集もやりたくなかったので思い切って何の企画もなくただそのゲームを動画配信することにしたところ大きな反響を得ることができました。
配信で直に視聴者とコミュニケーションをとることで、どんな動画が見たいのかや、今何が流行っているのかなどがわかるようになることと、直接ファンから応援してもらえるので、動画投稿のモチベーションにつながりました。もちろん正攻法をやり続けられる人には関係のない話かもしれませんが、そうでない人は一度自分の考えを捨ててわがままに好きなことをやる時間も設けてみてほしいです。高い確率で意外な発見やひらめきが生まれることがあります。やるべきこととやりたいことのバランス感覚が優れている人は長く良いコンテンツを生み出し続けているように感じます。
圧倒的に時間が持っていかれます
動画投稿も配信も頭おかしいくらい時間を持っていかれます。動画投稿の場合、動画を録画してそれを編集する時間がかかります。例えばプレイ動画を1時間録画したとします。編集の方法は人によって異なりますが、最初に動画の無駄な部分をカットするために、少なくともその動画を一周確認するのです。その時点で録画時間分以上の時間がかかっているわけです。さらにテロップやSE、BGMなんかを入れていくと・・・あとはお分かりですね?編集が終わった動画は、ただ投稿するだけで終了ではありません。サムネイルという動画の看板となる部分を作っていかなくてはなりません。人によっては動画編集よりもこのサムネイル作成のほうが時間がかかるという人がいるくらいです。次の作業として動画タイトルや説明、タグ付け作業です。これが地味に時間かかる。タイトルやタグは探してもらいやすくするためのもので分厚い本についてる付箋みたいな役割があるのです。膨大な動画の中から自分の動画を探してもらうために、この工程は意外と頭使って決めていくので時間かかります。そしてSNSで動画の告知をします。ここまで作ってきたサムネイルやタイトルなんかを使えばいいので流れ作業にできるんですけど、それでもこの工程がないだけでどれだけ楽になることか。
配信のほうが編集とかないし楽だろと感じるかもしれませんが、実際そんなこともありません。上段の動画編集工程はまるまるなくなりますが、配信はリアルタイムが命ですので視聴者が見やすい時間に予定を組んで、その予定に着実に配信を行わなければなりません。これがなかなか難しいのです。視聴者が見やすい時間ということは、世間一般の人が暇な時間という意味です。平日の夜の時間や土日などがそれにあたります。言い換えれば、みんなが遊んでいる時間を配信に使う必要があるということです。会社員をやっている身からすると、ゲーム実況をしていると自分のために使う時間というのは意識しないとなかなか取れないのが現状です。
ここでは決して忙しい自慢をしたいわけではありません。これだけの時間と労力を投下するほどにゲーム実況っておもしろいんですよってことが伝わってほしいだけです。逆に、この状態を乗り越えられないとゲーム実況はやめておいたほうがいいとも言えますね
まとめ
ここまで、ゲーム実況の表面的な説明を体験談を交えて語ってきました。実はやっていることって会社の経営と一緒なのです。自分で企画して製造して宣伝して実際に動画を見てもらってという流れは、モノやサービスを売るまでの過程を自分ひとりで回しているような状態です。
表題の「ゲーム実況ノススメ」というのは、もちろん、楽しいからオススメできるという側面もありますが、動画投稿という趣味を通して社会勉強ができるのでオススメしたいという意味も含んでいます。私自身は会社経営をやったことはないですが、少なくともこの経験を活用してダンスの方面でお金をもらうことには成功しているので大きく間違ったことは言っていないのではないでしょうか。みなさんもゲーム実況してみませんか?
ご精読ありがとうございました!
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