私流リズムメイキング【6月レッスンログ】

こんにちは!とーやです!

6月レッスンにご参加いただきありがとうございました!

今月は”身体の中でリズムをつなげよう!”をテーマにみなさんと練習させていただきました。

ロックダンスの魅力のひとつである”リズム”というのは簡単なようでいて、追求すると終わりのないテーマだと思います。「人はなぜ生きるのか」「心とは何か」「ポケモンの最強構築は結局なんなのか」に並ぶ人生で考え続けなくてはならない命題なのではないでしょうか。「心地よいリズム」や「気持ち悪いリズム」の感性も人によって定義が違うので、教える側としても大変苦労する内容です。

そんな奥深いテーマに対して、私が意識してほしいポイントは以下の3つです。

・休んでいる部分のリズムも意識すること
・呼吸の合わせてリズムに緩急をつけること
・足の裏からリズムが生まれていること

これらを意識することで、今よりもっと自分の思った通りにリズムメイクができ、リズムが人に伝わるようになると考えています。

今回の記事では、これらの意識すべきポイントを掘り下げて、書き殴っていきたいと思います。

目次

休んでる部分に着目する

使っていない体の部位と連動させてリズム入れることで、多角的なリズムと全体の厚みを作り出すことができると考えています。

例えば、右腕でペーシングをする際に右腕だけでなく、膝を曲げてアップリズムを取りつつ、左腕はアフタービート(2カウントに1回)でページングすると、身体全体でより強調されたリズムが生まれます。この状態から、リズムのメインを右腕ペーシングから足に切り替えたい場合は、膝が刻み続けているリズムを利用して、すんなり切り替えることが可能です。リズムが正常に乗って入れば左腕のペーシングを別の技にしたり、とるタイミングをずらすことも可能です。

このようにして、メインでとっている体の部位だけでなく、その他の休んでいる体の部位にもリズムを入れることで、全体のリズムの印象と、それぞれの部位にリズムを乗せ換えることが容易になるのではないでしょうか。

一定に刻み続けるリズムに、緩急をつけたり強弱をつけたりすることを、ここでは「リズムワーク」と呼ぶこととします(一般的にそう呼ばれているかは不明)。”リズム遊び”という言い方も、ここでは同一の意味として解釈していただければ話がわかりやすいと思います。ロックダンスをやっている人なら、この「リズムワーク」というものが、いかに重要であるかをヒシヒシと感じていることでしょう。

リズム遊び”と簡単に言っても、ロックダンス上でのリズム表現は、個人的には難易度が高いと考えています。理由としては、ロックダンスは技の形が明確に決まっていることと、音を表現するレパートリーに個人差があるからです。既存の技をしっかり使って踊るのは、ロックダンス特有であると考えています。また、使う技がある程度決まっていることもあって、音楽のとらえ方に偏りが出てくるのも不思議ではありません。先月の記事でも書いたように、ロックダンスは「打楽器表現」に強みがある一方で、ボーカルなどをロックダンスで綺麗に表現するのは、「打楽器表現」に比べれば難しく感じるのではないでしょうか。強みを活かしきれないというのは、言うなれば、魔法の杖を装備して、杖本体でモンスターに殴り掛かっているようなものです。杖は魔法を使ったほうがより大きなダメージを与えられるに決まっています。

上記のロックダンスの特徴を持って「リズムワーク」を試みると、音楽の流れを直線的に考えてしまいます。これは、音楽が一直線上の線のようなものになっていて、前から後ろに向かって音が流れているようにイメージしているということです。このイメージだと、過去、現在、未来のような時間軸的な捉え方となってしまうため、リズムを前から順に後ろに向かって、空いているところにはめ込んでいくような配置することとなってしまいます。

リズムゲームでお馴染みの「太鼓の達人」を想像してください。自分で自由に「ドン」と「カッ」を空いているところに入れることができたとしても、これでは、リズムを配置するキャパが直線状にしか存在しないため、表現の幅としては足し算か引き算しかできなくなってしまいます。

「ダンサーは太鼓の達人上手いだろ」って思われるのめっちゃ嫌なんですよね

そこで私が提案したいのは、”直線的”イメージではなく”立体的”イメージです。ここでいう立体というのは、箱のような立方体ではなく、自身の体の各関節を立体の頂点として、その頂点が前から後ろに流れていくイメージです。立った状態で少し時間が経つと、身体から生み出された平面が金太郎飴のように引き伸びて立体になるイメージです。

金太郎飴って最後まで食べきった試しがない

例として、肩、腰、膝の3点を考えたときに、それぞれがリズムに乗っており、音楽が流れるとこの3点がどんどん引き伸びていきます。それぞれとっているリズムとその強さに対応して、3点の音の波形が上下して、各部位の波形がまんべんなく、さまざまな強さと大きさになっているようにイメージします。”直線的”イメージで踊っていた時と違って、リズムの足し引きだけでなく、強さ、大きさ、ニュアンスの表現幅が広がっていきます。この例から、特定の技の主要なリズムポイントも押さえながら、体の動かせる部位も「リズムワーク」に加えることで、多角的なリズムと全体の厚みを作り出すことができると考えています。

「それってあなたのイメージですよね?(論破王風)」と思われたそこのあなた。

その通りですが?

ここまでの話はあくまで私のイメージする「リズムワーク」の展開方法です。しかしイメージの力というものはとっても大きいです。久しぶりに間近で見たときのゴールデンレトリバーぐらい大きいです。自分の行動を頭でイメージすることで、その行動は実現させやすいというのはあまりにも有名な話です。イメージ方法や、それに対する重きの置き方は千差万別ですが、こんなイメージもあるよねという一種の提案だと思っていただければ、読んでいただいている皆さんの選択肢になると思っています。むしろ皆さんのイメージも聞きたいくらいです。

「おたくの語ったイメージはわかるけど、いきなり自分が金太郎飴になるのは難しいよ…」という方は、最初は2本の直線をイメージしてみてください。その2本の直線上でリズムが並走していたり、緩急やストップが2本の直線を行ったり来たりするイメージで取り組むと、そこまで難易度が高くないので、楽しみながら「リズムワーク」に取り組むことができるのではないでしょうか。それぞれの直線上に存在するリズムが互いに刻み合うことで、「リズムワーク」に幅が出てくると考えています。

呼吸のリズムに合わせよう

自分や周りの呼吸に合わせて「リズムワーク」を展開することで、飽きのない楽しいダンスができるようになります。

「こいつ呼吸法を語り出したよ…」「怪しい健康商材でも売られるんじゃねぇか…」と怪訝な表情を浮かべているそこのあなた。待ってください。最後まで聞いてください(引き留め方がマルチのそれ)。

自他の呼吸意識が無い、セットムーブのような「リズムワーク」を展開してしまうと、リズムの共感が得られないものになってしまいます。例えば、「リズムワーク」を自分の中で追求した結果、16ビートががっつり詰まった隙の無いものになったとします。一見して隙のないテンポの良いリズムワークのように思われますが、流れている曲や周りの空気によっては、見ている側は息の詰まるリズムに見えることもあります。やっている自分自身もしんどく感じたり、飽きたりすることでしょう。

これはリズムのセットムーブがダメだという話ではなく、”タイミング”の問題だと言いたいのです。ここでいう”タイミング”とは、その人自身が感じている独自のテンポや間を指します。この”タイミング”は人間の脈拍と流れている音楽のテンポの心地よいと感じられる差であると考えてください。

例えば、朝一に聞くシロクマと本番の舞台で聞くシロクマでは、同じ曲のはずなのにテンポが違うと思いませんか。なに?本番でシロクマを踊ったことがない?あなたは本当にロッカーですか?
そのように感じる理由は、寝起きは心臓の動きがゆっくりなのでテンポが早く感じ、本番の舞台は緊張で心臓の動きがはやくなるのでテンポが遅く感じるためです。

今聞いて朝起きてもう一回聞いてみて!

要するに人は呼吸(=脈拍)のタイミングで無意識に音楽のリズムやテンポを測っているのです。

話が逸れますが、「しゃっくり」ってあるじゃないですか。このしゃっくりを止める方法を皆さんはご存じでしょうか。水を一気飲みするとか、クイズを出すとか、驚かすなど、実に根拠の薄そうな民間療法が広く知られていますが、これは一定である呼吸のリズムを乱すことで、内臓の収縮タイミングを変えて横隔膜の痙攣をストップさせる狙いがあるそうです。私は未だに100回しゃっくりしたら死ぬと信じているので必死にこれらの方法を実践していました。

話を戻すのですが、自分のダンスを見ているのも人間であり、呼吸を一定の感覚でしているはずです。見ている人間の呼吸を定期的に乱すようなリズムどりをすると、印象に残りやすいダンスができると考えています。例えば、あり得ない間で止まるとか、急にクソデカトゥエルで緩急をつけるとかです。

これには、もちろん実際に流れている音楽のリズムも加味するべきなので、呼吸ばかりを重視した下手な「リズムワーク」の挿入は違和感を与えてしまいますが、ムーブや振り付けの2箇所ぐらいに呼吸を乱すようなリズムを取り入れると、見ている人は飽きず見ることができるし、やっている自分も楽しいと思います。この呼吸を読み取るのは”空気読み”みたいな部分も含むので簡単ではないですが、意識的に取り組むことで「リズムワーク」に色が出てくるのではないでしょうか。

根源は足の裏にある

リズムワーク」のきっかけは足の裏に有ることを意識することで、無理のないリズムの生成ができます。

私がこれまで散々唱え散らかしている”リズムは足の裏から生まれている”理論については、「リズムワーク」にも深く関わってきます。私が足の裏への信仰がすごすぎて、足の裏教団を立ち上げようか検討しているほどです。

足の裏には膝や大腿、腰、上半身、頭と体全体が乗っている状態です。ということは、足の裏から生み出されたリズムというのは、上に乗っているもの全体に振動として波紋のように広がっていくはずです。樹を揺らすとその上にある枝や葉っぱまで揺れる、どうぶつの森的な状態です。なに?どうぶつの森をやったことがない?あなたは本当にロッカーですか?

一部、衝撃を逃がす関節部位(膝、腰、肘など)の効果で振動が減衰しますが、それでもリズムは確実に身体全体へと伝わっています。

この足の裏から生まれたリズムを利用して、体の各部位のリズムに厚みを持たせる意識をおすすめします。例えば胸のリズムを強調したい場合、足裏でしっかりとリズムを刻み、足裏から生まれるインパクトを用いて、胸のリズムをより強くしていくという意識です。胸のアイソレーション単体でリズムを見せようとすると、胸の動きを相当大きくしなくてはなりません。また、胸とその周辺の筋肉だけでは、等間隔でリズムを保持し続けるのはかなり難しいです。

また、足の裏から生まれたリズムをメトロノームのように利用することで、大元のリズムを保持しながら体の各部位の「リズムワーク」を柔軟なものにすると考えています。楽器演奏でいうところのドラムのようなポジションで常にリズムを刻み続けることで、その他の楽器(体の各部位)がそれに従ってズレのない多様な演奏を可能にするようなものです。実際にやってみてほしいのですが、音楽に合わせて行進のように足を左右動かしながらペーシングするのと、身体を一切動かさずペーシングするのとでは、リズムの刻みやすさが違うと思います。早い曲だと特にそう感じませんか?もちろん、腕だけでリズムを作り出すことは可能ですが、音楽への注意を払わないと、早ドリの原因にもなり得ます。

リズムワーク」を強化したいという方は、一度足裏のリズムを入れた状態で各部位のリズムを意識することをおすすめいたします。

まとめ

今回は”リズム”について、以下の点を押さえて私流に書き殴りました。

◯休んでる部分に着目する
使っていない体の部位と連動させてリズムを入れることで、多角的なリズムと全体の厚みを作り出すことができる。

◯呼吸のリズムに合わせよう
自分や周りの呼吸に合わせて「リズムワーク」を展開することで、飽きのない楽しいダンスができるようになる。

◯根源は足の裏にある
リズムワーク」のきっかけは足の裏に有ることを意識することで、無理のないリズムの生成ができる。

いや、奥深いテーマなのにこれだけでどうにかなるわけないじゃん」というご意見が出るのもごもっともです。そんなもの人それぞれなのだから、人それぞれの最適解があるはずなのです。ですが、リズムのみならず、ダンスに対して「人それぞれ」という言葉を使ってしまうと、考えるのをやめるのと一緒なのではないでしょうか。「人それぞれ」と言ってしまっては問題解決に向かっているように思えません。「人それぞれ」の部分をいかに一般化して、普遍的な解決策を探し出せるかというのが、多くの人がダンスでより結果を出すこと、ダンスライフをより豊かにすることにつながると考えています。勘違いしていただきたくないのが、私は「皆さんのためを思って」などと恐れ多いことを考えているわけではありません。私がこういう抽象的なものを具体的にしていくのことが好きなだけなのです。変ですよね。自覚あります。

最後までご精読いただきありがとうございました!

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