ロックダンスは叩いてなんぼ【5月レッスンログ】

レッスンログ

とーやです。ブログが追いつきつつあって嬉しい。

5月もレッスンにご参加いただきありがとうございました!今回のレッスンは”叩く”をテーマに皆さんと練習しました。

ロックダンスって良くて~
色々良いところはあるんですけど~
私が思うロックダンスの激推しポイントは、「打楽器表現」です。

特に音楽の根底のリズムを司る、ドラムの表現に関しては、ロックダンスは他の追随を許さないと思います。等間隔で刻まれるハイハット、音楽を引き締めるスネア、重厚感を持たせるバスなどは、ロックダンスが最も解像度高く表現することができるのではないでしょうか。

そんな表現をもっと楽しむために、ただ音楽に合わせて技の練習をするのではなく、叩くニュアンスを演奏者のように意識することで、よりロックダンスを楽しめると思います。

聞こえてきます。皆さんの声が。「そもそもあなたはドラムを演奏したことがあるのか?」ですよね。

これだけドラムの表現をうたっているのですから、そりゃ経験があるに決まってます。

小学生のときは、池袋のロサ会館のボーリング場の一角に置いてあったこいつを延々とやってましたね。

1日100円をおやつ代として親から貰って、ブタメンやらモロッコヨーグルへの欲求を抑えてこいつに興じていました。なんかみんなギターばっかりやってたけど、私は執拗にドラムをやっていました。

こいつは所詮ゲームなので、今回の”叩く”ニュアンスとはびっくりするくらい関係ないので忘れてください。はい。私は楽器をやったことはありません。すいません。

今回は、ロックダンスの”叩く”を私のダンス的な観点(楽器はやったことないので)をもとに書き書きしていきます。

叩いて”戻す”を意識しよう

音のニュアンスを決めるのは腕を戻すときです。

ロックダンスの手先の技を使うときは、どうしても腕を伸ばした先を意識しがちです。その意識は大前提として、腕を戻すときの意識も同じくらい大事にするべきです。

小学生のときに、先生から「家に帰るまでが遠足ですよ」と散々言われてきたと思います。この言葉の真意は、皆さんにロックダンスのアーム使いは伸ばすだけではなくて、戻すことも重要なのだということを義務教育課程で気づかせるためのものだったのです。嘘です。

何故、この”戻す意識”を重要視するのでしょうか。

楽器でも何か別のモノでも、”叩く”という行為は、力が常に均等に入っているわけではありません。モノ同士が触れる瞬間に出力最大のインパクトを出したいので、その瞬間だけ力が入ります。ドラマーの演奏を想像してほしいのですが、親の仇のように永遠と力が入っている状態で叩き続けることはないと思います。メリハリをつけて、響く音、鋭い音、伸びた音などを巧みに使い分けています。この音の種類を分けているのが、戻しの意識であると私は考えています。

皆さんも目の前にある机や人を叩いてみて、その戻しかたで返ってくる音を確認してみてください。人の場合は「痛っ!」って言葉か、あっちからも手が返ってくると思いますが、音の場合は聞こえ方、具体的には、音の大きさ、持続時間、響き方など違うと思います(叩く面の広さによっても違ったりするのですが、それは一旦省略させてください)。

その音の違いというものを、実際に演奏していないダンサーは視覚的に落とし込まなければならないわけです。その時に実用性が高いのが、「腕を戻す意識」であると考えています。

私が実際によくやっているのは、トゥエルやペーシングを戻すときに、瞬間的に手を握りしめて叩いた後のキレのある跳ね返りを表現することです。これにより、技の最高到達点の滞在時間が短くなるので、打楽器を強く叩いているように見えます。逆に、腕の戻しを意識的にゆっくりさせることで響くような音の表現もできます。

打楽器表現」に強いロックダンスだからこそ、ただ強く腕を伸ばすという意識で終わらせず、音の聞こえ方を自分なりにこだわると、もっと楽しくダンスできると思います。また、この意識はテンプレ技で構成されがちなロックダンスを、より深く探求できる糸口になると考えています。

関節同士を打ち鳴らす

ここまでの話で正直終わりにしてもいいのですが、もうちょっと踏み込んで、身体の内側の関節についても伝えさせてください。

身体の部位が2点以上使用されている技については、打ち鳴らすバランスで表現される音のニュアンスが変わります。

私が再三言っている、”ロックダンス手先だけになりがち問題”の解決にもつながると考えているのですが、皆さんは、ロック(The Lock)をするときに体の内側の共鳴について意識していますか?ロックで私が意識しているところは、腰、あばら、腕の3点です。この3点がロックのシルエットバランスを決定しているというのはご存じかと思います。実はこの3点は、音のニュアンスも決定しています。

話の流れから、「そんなの当然だよね」と思ったそこのあなた。当然って思ってますけど、本当にわかっていますか?(圧)

ロックをするときに音のニュアンスを変えようとすると、腕の強弱を真っ先に考えがちですが、腕だけで考えるのは非常にもったいないです。ショート動画を見て1日を終えてしまった休日くらいもったいないです。腕だけではなく、腰の入れ込み方を「ストン!」みたいに点のように強くしてみたり、「ニュル」みたいに少し伸ばしたりするのでは見た目が変わります。また、あばらについても呼吸で「フッ」と息を瞬時に吐き出す感覚と、「フ~」っとゆっくり吐き出す感覚とでは比較して、その違いが歴然としています。私が言いたいのは、これら3点がそれぞれ別の意識を持って同時に打ち鳴らすと表現の幅が尋常じゃなく広くなるということです。

先述した音のニュアンス、響いたり、鋭かったり、伸びたりとか、そんなレパートリーでは収まらないのです。なんならハッピーな音、悲しい音、朝の音、夜の音、酒の音、母の音、深夜明けの朦朧とした音など、それはもう無限の可能性を秘めているような気がしています。更には、この3点を微妙にずらして鳴らすとそれはそれで見え方が変わっていきます。

力が作用する箇所が二つ以上ある場合には、その各所の音のバランスについて考えて、そこにシルエットの意識も加えると、考えることがとても多くなります。選択肢が多いのは可能性が広いのですが、選択に迷ってしまうこともあるので、一旦は流れている曲の打楽器に合わせて、「どういうバランスであれば、この音に一番近い表現になるのかな?」というように、”音へ近づける”感覚でやっていくのが良いと考えています。

踏みしめて波を調整する

足の踏みしめ方で音の持続と響き方が変わります。

私のブログやインスタを頻繁にご覧になっている方は、”足の裏が全て理論”についてはご理解されていることと思います。まだご存じでない方についても、ここでは一旦足の裏がダンスの全てを決定するものだと信じ込んでください(強制)。

具体的な技で例えると、スクービードゥーの場合、左足から蹴りだして右足に入れ替えて、右足を地面に着地させて技を成立させます。この足の落とし方の意識で、見ている側の受ける印象が大きく変わります。もしあなたが、スクービードゥーの足を漫然と落としている日々を過ごしているのであれば、それは非常にもったいないです。友達からもらったLINEギフトの有効期限が切れているぐらいもったいないです。

このスクービードゥーの足をストンとストップさせる意識だけでなく、地面に足がついた後にも「ギュッ」と踏みこむと、音が長く響いているような見た目になります。これは力いっぱい踏み込んでやれば良いというわけではなく、踏んだ後にどっしりと地面を”踏み支える感覚”(造語)とでも言える状態を指しています。この表現は、手先や関節同士の打ち鳴らしでは成しえない独特の音の響き方であり、ドラムでいうバスの響き方が正にこれなのではないかと考えています。

踏み方の強弱の話ではなく、踏んだ後の余韻と踏みしめてる感覚を変えることで、Garagebandで見るような音の波形を調整しているような感覚が掴めるとマジで沼ります。こんな微妙かつ自己満の範囲を出なさそうな意識でも、視覚的にしっかりとアウトプットされます。足の裏からリズムが作られるでお馴染み(?)の”足の裏が全て理論”においては、足から身体全体のリズムが生成されるとしており、この踏みしめ方の意識も同様に身体全体のリズム生成に多大な影響を与えています。よって、視覚的にも「この人のスクービードゥは音に厚みがあるなぁ」といった印象を受けるのだと考えています。

私が特におすすめしたいのが、ファンキージャンプの遅れて着地するほうの足の踏み込みです。ジャンプの高さやシルエットにこだわるのは当然として、この着地の余韻や力のかかり具合で、ファンキージャンプという技が見た目のキャッチーさのみならず、音響効果も期待できると考えています。この着地にこだわりだすと、振りつけで適当にジャンプ入れられなり、その前後に尺をとってしまいがちになります(体験談)。

まとめ

今回はロックダンスの”叩く”表現について、個人的解釈を交えて解説させていただきました。

・叩いて”戻す”意識で音の印象が変わる
・関節同士を打ち鳴らす意識は無限の選択肢をになる
・踏み込み方で変わる音の響き方

ロックダンスのかっこいいなと思うところは、ロックダンスを踊っている人の数だけあると思います。ですが、ロックダンスをやっていて「打楽器表現」を意識したことなんて踊ってこのかた一度も無いって人はいないと思います。この記事で皆さんの意識に何かしらの提示ができれば幸いです。

久しぶりにゲーセンでドラムマニアでもやろっかな。

ご精読いただきありがとうございました!

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